鉄と酸素が結びついて何故サビにならないのか?ヘムとは??

 

 

メリーランド大学のイクバルハムザ遺伝学博士はこう話します。

 

どこにでもあるのとまさに同じ鉄が小さな顕微鏡サイズの粒になって体内にあります。鉄抜きでは私達は生きていられません。

 

身体に必要な鉄分を維持するために私達は鉄を含んだ肉や野菜を食べます。栄養分を強化した朝食用のシリアルでもいいでしょう。フレークの生地は鉄分を練りこんでから焼いてあります。

 

実はシリアルに鉄分がどのぐらい入っているか実験で分かります。

 

必要なものはまずシリアル。細かく潰します。それから棒状の磁石。水を入れたミキサーにかけると、鉄分だけが磁石にひきつけられます。水で洗い流します。

 

一皿におよそ8mg鉄分が入っています。つまり、栄養強化したシリアルを食べるとは、純粋な鉄を食べるということです。

 

栄養源がなんであれ、鉄分は体内に酸素を運ぶ重要な役を担っています。普通は鉄と酸素を合わせると酸化鉄が出来ます。サビ、と言えば分かりやすいでしょう。もちろんサビは私達に大変な害を及ぼします。しかし赤血球に含まれる鉄分は酸素分子を包みこみます。何故サビにならないのでしょう。血液は実に賢く鉄分をカゴのような分子、ヘムに閉じ込めるのです。

 

ヘムは私達の体内に出来る美しいカゴです。鉄を捕まえて中に閉じ込めるんです。そして酸素と結合する際にサビになるのを防ぎます。

 

ヘムの中で鉄と酸素はグロビンというタンパク質と結びつきます。そうして出来るヘモグロビンという分子が血管を移動し、酸素を身体の隅々まで運ぶのです。しかしこの運搬システムを司る遺伝子は捉えどころがありません。その発見が待ち望まれています。理由は世界人口の3分の1にあたる20億人を超える人々が鉄分とヘムの足りない貧血症だからです。貧血は免疫を弱めるため、命を脅かしかねない病気にかかりやすくなります。その謎を解く鍵を顕微鏡サイズのこの透明な虫が握っているかもしれません。この虫の遺伝子は7割が人間と同じで私達と同じように鉄とヘムを必要としています。

 

そこで私達は極少量の鉄分とヘムをですね、虫の入った皿に落とします。これで目に見えて分かるんです。虫は透明なのでその虫が鉄分とヘムを体に取り込むと何が起こるかが見えるという訳です。

 

ハムザ博士が2007年に行った実験によって鉄分の一部は虫の体内で上手く消化されなかったことが分かりました。博士は足りない、あるいは突然変異した遺伝子の特定に努め、画期的な発見をしたのです。

 

夢中でした。この発見は私達が鉄分とヘムをどうやって身体中に運んでいるのか、解き明かすヒントだからです。これによって鉄分の不足と貧血の謎が解けることでしょう。